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インタビュー

中村憲剛と村田諒太が考える「子供の才能の伸ばし方」

プロボクサー・村田諒太さんと、プロサッカー選手・中村憲剛さん。父親という顔を持ちながら、プロのアスリートとして成功した2人だからこそ考える、「子供の才能の伸ばし方」、子供の背中を押す「親としてのスタンス」について、語り合ってもらった。

今のスポーツを始めた
きっかけを教えてください。

中村 僕がサッカーを始めたのは、小学校1年生の時でした。

村田 Jリーグがない頃ですね。

中村 そう。だから親もプロにしようとかじゃなく、ボールを蹴るのが好きな僕に、「好きなことをやらせたい」という想いからでした。たまたま入ったのが、全国大会にも出場する強豪チームで、次第に僕のサッカー熱も高まっていきました。遠征もしょっちゅうで、両親の応援がなければ今の僕はなかった。

村田 僕の場合は真逆ですよ。中1のときの両親の離婚をきっかけに、悪いグループとつるむようになって、やさぐれていた僕を見兼ねた当時の学校の先生がエネルギーの発散場所にと、ボクシングを勧めてくれたんです。

ところが、ボクシングを始めたら、両親がすごく応援してくれるようになって、父親もよくジムに迎えに来てくれました。親の不仲がきっかけで始めたボクシングが、始めたら親からの応援に変わった。お陰でやめずに続けられました。



プロのアスリートになれる人の
共通点って何だと思いますか?

中村 “負けず嫌い”。プロアスリートは、負けたら死ぬほど悔しがる連中の集まりです。競争心があるから頑張れるし、真剣になればなるほど負けるのが悔しくなる。そこから勝つ喜びを知っていくんですよね。

村田 そもそも、負けず嫌いじゃないとプロになれないんじゃない? 今、社会では「他人と比較しない」みたいな風潮もありますが、僕らプロは他人と比較される職業。現実的に「比較」はあるし、これって否定できないですよね。世の中は競争社会なのに、学校教育では勝ち負けをつけないって、すごく矛盾してますよね。

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子供の競争心を育てるために
親がすべきことは?

村田 子供を否定しないこと。子供は「好き」という気持ちでやるだけですから。

中村 好きなことでなら、自然に競争心は育っていきますね。

村田 好きなものほど負けたくないですからね。

中村 やっぱり親ができることは、「子供の好きを見つけるサポート」しかないですよね。

村田 そうそう!間違っても親が子供に何かを押し付けたり、「負けるな!」なんて、けしかけるのは良くないですよね

中村 子供が小さいうちはいくつかレールを用意して、選択肢を広げてあげるのも親の役目。子供がいざレールを歩き始めたら、親は見守りながらサポートしていかないと。親が前に出るのはよくないと思います。

村田 子供の代わりに親がボールを蹴るわけにもいかないし。

中村 しょっちゅう蹴りたくなります!(笑)

お子様とスポーツをするときや
普段の関わり方で心がけていることは?

村田 僕はスポーツ心理学で学んだ「結果ではなく、過程に焦点を合わせる」ということかな。子供に、親の勝手な都合だけで結果を求めるスタンスはとるまい!と決めてます。

中村 たしかに! 村田さん、すごくいいこと言ってる。うちも「子供がまずどうしたいか?」。それを一番大事にして、それに対してサポートするようにしています。

村田 普段は甘やかしてますけど、何でも褒めるってことはしないです。ちょうど昨日、旅館のゲームセンターで、UFOキャッチャーをやったんです。息子は、アメが何もないところを一生懸命すくっていて、僕は思わず「何もないところをすくっても意味ないじゃん」と。

結果、アメは1個しか取れなかったんですが、逆に妻は「1個でも取れてすごいね!」と褒めたんです。僕、それってなんか違うなー、と。だって、何でも褒めたら、それ以上良くならないでしょ?

中村 わかる! 僕もきっと村田さんと同じことを言ったと思う! 何をやっても親が喜んでくれると思うと、子供は正しい判断ができなくなっちゃう気がします。完全否定は良くないとは思いますけど。

村田 同じ意見です。チャレンジして失敗するのはいいことですけどね。

中村 そう。子供の目線でいることも大事だけど、ときに大人目線も大事。1個取れることがすごいんだったら、そこがゴールになっちゃう。ママが褒める時もあれば、パパも褒める時もあって、夫婦でちゃんとバランスがとれていればいいんじゃないかな。

まとめ
●競争心は、好きなことをとことんやらせることで芽生えるもの。
●「他人と比較しない」教育は考えもの。子供のうちから勝ち負けを意識させるべし。
●“結果”ではなく“過程”に焦点を合わせるべし。

 PROFILE

中村憲剛/KENGO NAKAMURA

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1980年生まれ。東京都出身。サッカー・Jリーグ、川崎フロンターレに所属し、チームの中心選手として活躍。日本屈指のゲームメーカーとして、2010年FIFAワールドカップ南アフリカ大会に出場した。2005年に結婚。7歳、5歳の2児の父。

PROFILE

村田諒太/RYOTA MURATA

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1986年生まれ。奈良県出身。中学時代にボクシングを始め、高校では5冠を達成。2004年に東洋大学に進学し、全日本選手権で優勝。2012年ロンドンオリンピック、ボクシングミドル級で金メダルを獲得。2013年にプロ転向。その後連勝を重ね、激戦階級とされるミドル級での世界戦が期待される。2010年に結婚。4歳、1歳の2児の父。


Photo » MIHO FUJIKI
Text » MIKAKO HIROSE

※FQ JAPAN VOL.38(2016年春号)より転載

 

 

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